SOCIAL SECURITY / 社会保障

少子高齢化が進み日本の社会保障制度はグラフの通り、国民一人当たり84.2万円、107.8兆円に達しています。社会保障制度は世代間の支え合いで成り立っており、高齢化により給付額が増加し、現役世代への負担が一層増しています。これからさらに高齢化が進む日本においては税金(公助)と保険料(共助)と自己負担(自助)のバランスを皆が納得できるかが重要だと考えています。
年金、医療、介護の各制度を一体的に運用し、自分に合ったサービスを選択していく方法を構想しています。お医者さんにかからなくても健康な人は老後受け取れる年金が増えたほうがうれしいでしょうし、介護を受けている人は手厚い介護や医療を望むでしょう。このことによって無駄な病院通いを控え健康を維持することにインセンティブが働くことにもなります。
映画『SiCKO』でも描かれているように日本のように誰もが保険証を持って好きなお医者さんに安価にかかることができる制度は用意されていない国もあります。その日本の医療も、産科が少なかったり、救急車が搬送先を見つけるのに時間がかかったりと歪みが出ており、見直さなければなりません。
今後数年で、いわゆる団塊世代が給付側へと移り、75歳以上の医療ニーズがこれからますます増えていくことふまえ、利用者はもちろん、支払側の健康保険サービス側の医療従事者の三者が納得して持続可能な制度となるようにしました。高齢者の方々の心情にも配慮して、元気な方はそのまま社会保障の支え手として活躍できる仕組みを構築します。
確実にやってくる高齢化社会を制約と考えるのではなく、逆に健康に長生きできるモデル作りとして積極的にとらえ、バリアフリーや様々な器具のイノベーションを促進し、医療・介護サービスが成長を期待される分野として育成していきます。また、介護の現場で働く方にとっても働きやすい環境づくりを整備します。
現在、独身の9割が結婚して子供を2人以上持ちたいと考えています。子供を生み育てることと、働いて自己実現をすることの両立が容易にできる社会づくりが少子化問題にも重要です。ただ、私はゼロ歳の子供を託児所に預けることには疑問を持っています。情緒応答性といってゼロ~2歳くらいまでは安定的な養育者がマンツーマンでつくことが子供の成長のためには望ましいのです。また、ゼロ歳児保育にはコストがかかります。制度の面からも子供のためにも休業給付の取得を薦めています。
私はストレスを専門とする心療内科医として長年過酷な労働環境で体調を崩される人を診てきました。情報化が進んだ今日において、皆が満員電車に乗って9時に出社しなければならないという時代は終わりました。クラウドコンピューティングやWiMAXを使って会社に行かなくても、また子育てをしながらでも働ける環境を整備します。このことが働く現役世代を増やすことにもつながり、経済にも活力が生まれます。経済の力強くなければ安定して社会保障制度を維持することは困難です。